オンプレミス Exchange Server から Exchange Online への移行を行う際、検証や移行前のテスト移行時などオンプレミス Exchange Server と Exchange Online 環境が共存する並行稼動期間が発生する事が考えられます。Outlook を構成する際、Exchange Online 側を参照したいのにオンプレ Exchange Server を参照してしまうといったことがありましたので、実施した対処方法を記録します。
autodiscoverの動作
autodiscover は、Outlook構成時のユーザー操作を最小限に抑えることができる機能として提供されているものになります。この autodiscover は、同一ネットワーク上にオンプレミス Exchange Server と Exchange Online が共存している場合、オンプレミス Exchange Server を優先して接続を行う動作となります。
この autodiscover を利用している場合、オンプレミス Exchange Server の停止 or 完全に切り替えが完了(DNSに設定の変更等)するまでは Exchange Online 側の構成をすることができません。(手動構成であればできるのか、については記憶が曖昧なので差し控えさせていただきます。)
開発検証やテスト移行などで特定の端末(ユーザー)のみ Exchange Online を参照させたいシーンがあるかと思いますが、端末側のレジストリ値を変更することで、Exchange Online 側を参照(autodiscover のオンプレミスの Exchange Server を優先する動作の無効化)して Outlook の構成を行うことができます。
autodiscoverによるオンプレEx参照の無効化
端末側に設定するレジストリ値は以下となります。
Outlook 2007の場合
場所: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\12.0\Outlook\AutoDiscover
Outlook 2010の場合
場所: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\14.0\Outlook\AutoDiscover
Outlook 2013の場合
場所: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\Outlook\AutoDiscover
Outlook 2016の場合
場所: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Outlook\AutoDiscover
名 前 : ExcludeScpLookup
種 類 : REG_DWORD
データ : 1
こちらの設定でオンプレミスと Exchange Online の共存環境でも autodiscover を使い、Exchange Online 側のセットアップを行うことができました。
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